Wednesday, April 26, 2017

アップルワイヤレスキーボードの電池が出ない - Apple Wireless Keyboard Troubled


大変だ。キーボードが反応しなくなったので電池交換しようとしたら、奥の単三乾電池が液漏れして中で固着状態。しごいても出せない。写真の丸いところを注目。ネットで検索してみるとこのトラブルに遭遇した人は結構多いが、適切な処理法の書き込みは見当たらない。もしやこの高価な製品はこれで廃棄の運命なのかと不安が走る。ダメ元で腰を据えて修理を試みることにしよう。

製品を見渡す限り唯一取り付く島があるとすれば筒状の底面側にある乳白色のプラスチックパーツだ。これを両側から指でつぶすように圧しながら隙間が作れないかと揉んでいたら、うまくパカッと外れてくれた。

中には小さな基板が鎮座していて、それを留めているのは小さな+ネジ、当然これを取り外す。次に基板に巻き込むように配線フィルムが黒い接続端子に差し込まれているので、これを優しき引き抜く。すると基板アセンブリーは左側に抜くことができる。

あとは長いドライバーか何かで中の乾電池をガンガン突いていけば、中から出てくる。筒の中に付着した白い物質はゴシゴシ削って、さらに筒の内壁を綺麗に拭き掃除する。修復は逆手順で基板アセンブリーを戻し、ネジ留めして、フィルム配線を差し直したら、新しい乾電池を入れれば良し。至って整然と作業できた。


The keyboard stopped working. As I understood the batteries were gone, I tried to replace them but the second one was rotten and stuck in the tube (look into the top photo). It was helpless. I see many users face this problem because they raise questions in the net, but I could not find proper procedures to save the product. Does it have to be trashed? Okay, let's try repairing it myself before I throw it...

The only clue for possibility I could see was a plastic part on the bottom surface, so I pushed both sides of its round surface to see if I could get a slightest space to squeeze a blade or something in, and luckily enough it came off the product almost by itself. 

Now I could see a small circuit board that was tied by a Philips-type screw. First I released it, and the second I gently pulled out the film circuit that was slotted in a black connector. Then the small assembly as a whole slid out of the tube. 

I used a driver tool long enough to hit the stuck battery: hit, hit, hit until the battery came off. You need to remove the debris inside the tube and clean it before reassembling the parts. So glad to see the keyboard is working again!




Friday, April 14, 2017

Friday, April 7, 2017

Sakura Watching - 花見2017

Everybody in Japan is excited now with blooming cherry blossoms. I went to Chidorigafuchi, one of the most popular places for "hanami" (flower-watching). Conveniently, it is in the middle of Tokyo along the banks surrounding Emperor's Palace. The street was full of visitors even on the weekday.

4/06 千鳥ヶ淵







On Friday the 7th, I was in Nerima and checked the blossoms around Toei Film Studio. Kind of nice to see no crowds here.
大泉学園駅から投影撮影所への途中に一本の老桜 

白子側沿い、背後はPROUDCITYマンション



On the 10th, I walked along the bank of Minuma-Tanbo area near Ohmiya, Saitama. It was so relaxing in the countryside without too many people.

4/10 見沼総合公園→自然公園





Thursday, March 16, 2017

Astor PiazzollaとMQA CD


Mick沢口/UNAMASアルバム、ピアソラのタンゴ7曲が素晴らしい。既にネットでダウンロード配信中だ。
ピアソラの録音でタンゴとクラシックの融合を端的に示したものとしては過去にヨー・ヨー・マのディスクがあり、今回のリリースも目線としてはそれに近いものになるが、ピアソラの音楽を初めてハイレゾ優秀録音で楽しむことができるという意味でこの演奏は広くピアソラの音楽再発見へと向かう契機になってほしい。

僕は昨年、まず5.1 final mixを試聴したが、のっけからオーボエの音に我知らず引き込まれた。5.1mixで聴くとその質感とともに楽器のサイズ感のようなものを3次元空間上の響きの中から汲み取ることができる。
弦楽器を叩くパーカッシブな響きでは指差したくなるほど明瞭な位置関係の実在感が半端ない。
そしてアンサンブルの集中力も凄い。その大胆な音像構成と響きのintimacyに引き込まれ、しかも楽しい。鑑賞体験として音楽との距離感が近い賜物だ。

後日、沢口スタジオで9.1mixも聴いたが、今回の録音は5.1と9.1にこれまでのような大きな落差はないと感じた。これは従来の大賀ホールと違ってAGSスタジオ収録であることによる。距離感の近さはまさに演奏空間のディメンションを見事に反映していたという訳だ。是非ともBD Audioディスクにして市場に出して欲しいと思っている。

そしてさらに明日3.17、このアルバムが世界初のMQA-CDディスクとして発売されることとなった。
これまで通り現在のシステムでも通常のCDとして聞くことができるのに加えて、MQA搭載デコーダ経由で聞くと176.4k/24bitのスタジオ音質ハイレゾ再生が可能となる。
MQA再生はワーナー、ユニバーサルの大手レーベルの参加とTIDALのサポートが始まって、PC系システムでの鑑賞が主力で動いている状況で、ハード系としてはプレーヤーとMQA-DACをS/PDIF接続という限られた選択肢となるので一気に普及とは行かないと思うが、CDフォーマットの未来像を変えるエポックになるだろう。

Wednesday, March 8, 2017

Camper・Puma・Keen - サンダルの買い替え

長く愛用していたカンペールのサンダル、鼻緒の部分が切れた。直しようがないので棄てるだけなのだが、愛着からすぐに棄てきれず何とかならないかと考えたりしていた。ふとインソールの部分を取り出して見て、室内履きにしているプーマは靴底にいくつも通気穴が開いていて濡れた床は苦手なことを思い出し、はさみで少し形を整えたらそこに装着できるかもと考えて早速作業に取りかかった。履き心地はちょっとタイトになったが、そこそこ上手く収まってくれている。それとは別にサンダルの後釜をあれこれ探して、Trekkinでキーンの網靴が手頃価格なのを見つけた。これは発注後1週間強で到着だ。


Camper
Puma with Camper in-sole
Keen


Monday, March 6, 2017

百観音温泉 - Hyaku Kannon Hotspring


東京近辺で人気の温泉、特に泉質が良いと聞いて、久喜市の百観音温泉に行ってみた。ここへは車で訪れる人が殆どかと思うが、東鷲宮駅から歩いて3-4分の距離だ。豪華な保養施設というのではなく、銭湯よりちょっと奮発するくらいの800円/4時間という料金でお湯をよりどころにして実を取るという雰囲気の温泉だ。周囲には見るべきものも特にない環境でもある。露天風呂は5種類あって、ぬるい温度の炭酸泉や高温の立ち湯、寝転び湯など、思いのままにのんびりできる。広さはそこそこあるが、平日でも来客は絶えないので週末の混み具合だと芋洗い状態になるかも知れない。マッサージもあるし、食堂もあるので、施設としては合格だと言えよう。

Hyakukannon is one of the most preferred hot springs in Tokyo area in a survey, particularly renowned for its water quality, so we went to Kuki city. It is about 1 hour train ride from Shinjuku although most visitors would drive their car. The spot is only a few minutes walk from Higashi-Washinomiya Station (next from Kuki) in JR Utsunomiya Line, and although it is not a gorgeous facility, one can value it highly for its 800 Yen admission (just a slight raise than ordinary "sentoh" bath houses). They simply depend on the hot water offering 5 different outdoor options such as mild-temperature tonic water, high-temperature standing bath, lay-down hot water, etc. So you can really slow down to relax as you wish. The facility is moderately spacious but we saw good number of visitors even on Monday, and if it doubles in the week-end, this may be rather packed. They have a restaurant and massage service, so you can enjoyably spend a few hours here.

This photo from their website


Tuesday, February 21, 2017

ベーゼンドルファーのピアノ - Woman in Gold


ベーゼンドルファーのサイトにアーチスト・シリーズ・ピアノとして紹介されている製品。金・銀工芸技術を駆使したクリムト画に魅了される。世界25台限定品と書かれているが、発売が最近なのかかなり前からなのか、そして価格も判らない。本体は200あるいは214VCモデルがベースとある。

I was totally enchanted by the this piano with Klimt painting the detail of which was found in a  Bösendorfer site page. It says limited model of 25 productions worldwide but its price or its time of introduction (recent or already a while ago) is not indicated. It belongs to their Artist Series based on 200 and 214VC models.


Saturday, December 31, 2016

Baccarat - ガーデンプレイスのバカラ・シャンデリア


大晦日の朝、映画「ノーマ東京」を観にガーデンシネマに出かけた。世界一のレストランが期間限定でマンダリン・ホテルに東京店を開いた経緯を追跡したドキュメンタリーで、戦場のような厳しい現場の状況が描かれている。完成したメニューは最後に眺めることができて、ちょっとおいしさの雰囲気だけは感じることができる。
それ以上とは言わないが、恵比寿のガーデンプレイスでまず目を引いたのがバカラ史上最大級のシャンデリアだった。広場の中央に年明けの9日まで飾られているので、これは夜出かけてその輝きを確認しておきたい。




後日、夕暮れ時の様子を見に行ったので、写真をもうひとつ追加。


Saturday, December 10, 2016

iPhoneの音楽が消えた - Music Disappeared from My iPhone


iPhoneに取り込んでいる音楽が突然聴けなくなった。iTunesとの同期もしない。もう一週間、あれこれやってみても一向に埒が明かず、もはやお手上げとアップルにサポートを仰ぐことにした。サイトから目的地に辿り着くのがまた大変で、保証期間後は電話相談が有償だとか、双六ゲームみたいにいくつか関門があったが、メールで質問を送りサービスの女性と話すことができた。今はリモートでこちらのパソコン画面を見ながら一緒に作業するようになっているのだが、問題の難易度が高くスペシャリストなる人物にバトンタッチ。「同様の事例がひとつ挙がっていて、調査中になっている」とのことで、トラブルの処置には至らず、新しいライブラリを作ってみてその同期が機能しているのを確認、そこにまた一からコンテンツをコピーしていくという対応策を教わった。600曲だぞ。やれやれ・・・

Monday, November 21, 2016

奥多摩の紅葉 - Autumn Colors in Northern Tokyo

山歩きの達人2名の友人に誘われ、紅葉狩りを兼ねて秩父の三峰から雲取山荘で一泊し、日原鍾乳洞方面に降りる散策に出掛けることにした。2日ともそれぞれ5時間強の行程だが、アップダウンで苦しまないルートを選んでくれたというので貧脚の自分も一応安心する。
第1日は西武秩父からバスで三峰神社のビジターセンターまで上ってくれるので、そこからは殆どが尾根歩きに近い歩きとなり、雲取へのルートとしては楽な選択だと思う。さて山の斜面を見て友人曰く、「今年の紅葉は全然ダメだ」。確かに赤く染まった木々は数少ない。天気は徐々に雲が厚くなり、16時過ぎ山荘に到着した後から雨となった。雲取山荘は立派な建物で、当日の宿泊客は20名程度、我々3人に1室あてがってもらえ、こたつでのんびりをくつろぐことが出来た。夕食はハンバーグで、欧州の山小屋を多く経験している友人は「食事が貧弱すぎる」と明らかに不満だった。


Lodge Mt. Kumotori
夜中はずっと激しい雨が続き2日目はどうなることかと思ったが、幸いにも明け方には止んでくれた。山小屋の朝食は5時から、チェックアウトは7時と厳しい規定だ。日原への下りは長いジグザクの急坂が続き、ルートが判り難いところもあったが、木に縛られたリボンを頼りに八丁橋まで辿り着くと、あとはバス停まで長い林道を1.5時間くらいかけてブラブラ歩きとなる。逆ルートだと僕は辞退だなと思った。


Route Map
結局、紅葉に関しては収穫がなかったので、僕は数日後天気の良い日に改めて奥多摩に出向くことにした。時間もあまりないので短時間のトンボ返りで、御嶽の川沿いと石神前の奥多摩園だけ回ってきた。目を見張る絢爛な光景ではないが、いろんな色彩の綾は楽しめた。







Two expert-climber friends of mine took me to a 2-day trek to Mt. Kumotori which is the highest mountain in Tokyo. We start from Mt. Mitumine that is accessible by bus from Seibu-Chichibu station and the route from there is mostly a ridge walk and it is probably the lightest approach to Kumotori. The autumn trees did not unfortunately look great this year, and the clouds built up as we continued 5-hour trek the first day. We arrived at the Lodge Kumotori around 16 o'clock and it started raining in less than an hour. The lodge was a large and nice building, and we were allocated a room exclusively, so we could relax in the warm "kotatsu" heater-table. 
Our friend who knew much of the situation in European Alps vocally complained the dinner with hamburg steak main dish was too poor!

It rained heavily all night and I was a bit worried about the second day, but it stopped raining just before the dawn luckily. The breakfast started at 5 and the check-out time was 7. The second day was longer with long, continuously steep zigzag downhills and the route was sometimes vaguely recognizable so you have to keep trying to identify pinkish ribbons tied to the trees. After arriving at Haccho Bridge followed a long forest road of about 1.5 hours walk to the nearest bus stop. I would decline the reverse route to take myself!

As there was not much gain in autumn tree watching, I had a quick return to Okutama area on a later day to seek more satisfying autumnal colors, and I took some photos around Mitake station and Okutamaen near Ishigami-mae station.
  

Wednesday, October 26, 2016

iMacをSSD化作業上の注意 - Installing SSD in iMac

いよいよ我がiMac (Early 2009)のドライブをSSDに換装する。ネット上に写真付きの手引きが色々アップされているので特に不安はなかったが、移行前にやっておくべき状況認識がある。内蔵HDD640Gは空き領域が100Gを切っており、今回使用することにしたIntel 535は240Gしかない。そこでデータ内容をざっと俯瞰してみると、写真類200G、音楽100G、ドキュメントなど80Gが溜め込まれていた。これらは外部のアーカイブ用ドライブに移転させ、iTuneや写真アプリの設定でアクセスさせ、内蔵ディスクへの保存は避けることにした。結局、システム、アプリ、メールなどに絞り込んだ容量は130Gほどにスリム化できた。


Parts and tools for SSD installation

次に新しいドライブへの転送についてはいろいろな方法が選択できるが、僕は外付け用のドライブケースを買って(安い!)まずSSDをそこに組み込んで、Option+スタートする手順にした。今回はそこからRecoveryを選び、TimeMachineからのバックアップへと進んだが、システムのクリーン・インストールだけを選ぶこともできる。この部分は数時間ののろのろ作業だった。

さて、解体作業だが、先達の手引きに従って概ね順調に「粛々と」進むだろうと思うが、いくつか気付いた注意点だけ列挙しておこう。まずT8トルクスドライバーが必要と複数の手引きを目にしたが、実際にはT6も必要になる。そしてHDDの取り外し方法。これは一番厄介だ。HDDを固定しているネジは4箇所だが、下側左のネジ山にはアクセスすら出来ない。しかしこれはそのままにしておけば良い。下側右のネジも普通のドライバーでは垂直に当てることが出来ないので、頭だけ交換出来るタイプのトルクスで取っ手がL型にフックする短いドライバーが必要だ。このネジは取り外す。残る上側2個のネジについてはネジ山を覆う黒いプラスチックバーが付いているが、コネクター側の端を持ち上げると回転して取り外せる。その後で2個のネジを外す。3つのネジを外せばHDDそのものを上方向にずらして抜くことが出来る。コネクターそのものは、僕の場合、プラスチックの壁が立っていて、固定位置では抜くことができず、ドライブをずらしてから外した。




換装結果はかなり機敏さを取り戻した感じで、起動時間はHDDでリンゴマークからプログレスバーを経てログイン画面まで40秒、壁紙表示まで2分10秒ほどかかっていたのが、SSDではそれぞれ25秒、49秒と一気に半減だった。
摘出したHDDは外付けのケースに入れて起動オプションのひとつとして残しつつ、画像ファイルの保存場所として継続使用する。そのためにSalcarのケースを購入した。2.5"用ほど安くはないが、装着は簡単でなかなか良く出来ていると思った。
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Replacing the 640GB HDD inside my iMac (Early 2009) with a 240GB Intel 535 SSD drive was not so stressful because several practical procedures were posted in the web for reference, but some findings that were not reported in detail: T6 driver was also needed in addition to T8, and removing HDD was a bit mysterious because the bottom/left pin was not accessible but it can be left untouched as I could slid out the drive toward the opposite direction after removing remaining 3 screws pins. My main anxiety was how I could clean up or rearrange the whole data reaching 600GB. Actually in my case, photos had 200GB, music 100GB, and other miscellaneous documents 80GB or so, that could be all redistributed to external drives yet remained accessible from the internal system. The result: the wall paper showed up in 49 seconds compared to 130 secs previously!

Wednesday, October 19, 2016

ガーディナーのカンタータ解説 - Cantata No.78 Liner Notes by Gardiner

来シーズンの演奏曲目の楽譜が届いた。78番は既に練習始めているので、作品の背景を少し勉強しておこうと手元のバッハ巡礼カンタータ全集CDの解説を読んでみることにした。前にも書いたと思うが、ガーディナーの文章はいささか衒学的で読みづらいので、聴きながら読んだりは殆どしていない。訳してみるとかなり気合いの入ったライナーノーツだ。


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三位一体の後の14回目の日曜日のカンタータの中では、疑う余地なく、選択すべきはコラール・カンタータBWV 78 “Jesu, der du meine Seele”で、桁外れたレベルのインスピレーションがすべての楽章を通じて維持されている。
BWV78はト短調の巨大な合唱の嘆きで始まり、その音楽的帯状装飾はスケール、強烈さ、そして表現力において現存するふたつの受難曲の前奏曲と肩を並べるものだ。この曲は半音階に下降するオスティナートの上にパッサカリアとして仕上げられている。パッサカリアのような舞曲形式をして、 — それは音楽の中で英雄的で悲劇的な響きを持つものであると、偉大な主唱者の名前を2人だけ挙げればPurcell(ディドの嘆き)とRameauの音楽によって我々は知っているが、多分バッハは知らなかったろう — それを神学的/修辞的な目的に向けるというのはどこまでバッハに特徴的なのか。
我々は今年すでに二度、それに遭遇している。復活祭のための初期カンタータ”Christ lag in Todesbanden” BWV42 週遅れの日曜日の”WeinenKlagenSorgenZagen” BWV12だ。ここでは、コラールが現れるたびにバスが歌う半音階的固執低音が一層強調される。オリジナルでありながら控え目な何十もの特徴の中の1つは、固執低音が1641年のJohann Ristの賛美歌に伝統的に繋がる定旋律に対して釣り合いを取る錘として作用するその手法で、あらゆる種類の対位法の線をそのまわりやその中に編み込んでいる。イエスが「悪魔の暗い洞穴から、そして弾圧的な苦悶から」キリスト教徒の魂を「最も強引に奪還した」方法を述べた部分に、力強く力点が置かれる。
3声部は定旋律に敬意ある伴奏をするものと単純に想定するところで、バッハは彼らに異質な重責を与える:パッサカリアとコラールの仲を取り持ち、説教の伝道者がしそうな方法でコラール・テキストを準備し、解釈する。これこそが聖書釈義の力であり、人はバッハがまたしてもその音楽的雄弁術の聡明さによって、伝道者の威光を(不注意に?)横取りしていたのではないかと疑ってみたくなる。
いずれにしても、それはあなたがあらゆる小節のあらゆる拍にしがみついて、音符の展開に応じて楽譜から音楽の価値の残らずすべてを掘り出そうと、ほとんど必死の集中した試みに取り組む、そんないくつかのカンタータの開始楽章の1つなのだ。

この高貴な冒頭のコーラスと、甘美にしてほとんど不遜に軽薄なソプラノとアルトのデュエットとの間の、ここまで唐突なコントラストを凌ぐものを人はどんな途方もない夢の中でも想定することができないだろう。そのオブリガート・チェロの常動曲(moto perpetuo)には、Purcellの反響 (歌劇《妖精の女王》から‘Hark the echoing air’)Rossiniの前兆がある。「あなたの恵み深き笑顔で私たちを喜ばせて」と懇願するバッハの魔法に、あなたは同意せざるを得ず、肯くか −あるいは軽く足拍子− している。彼もこれ以上に微笑を誘引する音楽は書いていない!しかし執行猶予は束の間だ。

テノールの叙唱では、pianoで開始と異例の表記があり、我々は病んだ罪の概念に引き戻される。声の線はぎこちなく、表現は苦悩に満ちた戒めの言葉使いだ:ほとんど、この半年前に上演したヨハネ受難曲でのペテロの後悔の展開版である。その償いはキリストが血を流すことに依り、フルート・オブリガートのアリア(No.4)の中で、テノールは「地獄の軍勢が私を戦いへと呼んでも、イエスが私の側に立っておられるなら、私を勇気づけ、勝利できます」と信念の宣言を行う。地獄とのこの交戦を喚起するには、我々はトランペットまたは少なくとも完全な弦合奏団を期待するところだろうが、しかしここでのバッハは微妙なモードを選ぶ。彼の関心はむしろ人の罪を「癒やす」フルートの優美な装飾表現能力にあり、そこで親しみやすい踊るような曲を用いることによって、魂を清め、「心を再び軽快に感じさせる」ことができる描写方法を取ることだった。

最終のコラールの前に置かれた終盤のふたつの楽章はバスのためのものだ。まず、十字架の苦悩に関する瞑想として始まるaccompagnatoがあり、それが発展して速度を変え、キリストが救いのために犠牲となった帰結として彼の意志への服従に関しての思いとなる。
ヴィヴァーチェのところ(「酷い裁判官が断罪された人に呪いを浴びせる時」)では、バスはcon adoreで — 情熱をもって — 歌うように指示されている。この曲は大文字P[=受難曲]と小文字p[=情熱]の両方のPが付く「パッションの音楽」で、その技法・心情・表現においてヨハネ受難曲と、そしてカンタータ第159番での‘Es ist vollbracht’という独特の用語とも驚くほどの類似を示している。整頓された音楽学の尊重やテキスト本位という今日的な環境下でのバッハ演奏では、パッションは稀有な貴重品となっているが、それがないと、彼の匠としてのすべての技術、構造・和声・対位法に対する精通、そしてそれらをこれほどの激しさ、意味、そして正にパッションで満たすバッハの奇跡がガタついてしまう。

ハ短調の最後のアリアは、オーボエ協奏曲から引き出された楽章のような感じがするが、声部とオーボエを完全に一体化することに成功し、キリストのことばによって不安な良心に望みが生まれることを賛美する。トゥッティとソロが交互に入れ替わり、その不規則な小節構造(1-2½-1-2½-1)の周期パターンが積み上がってみれば決まり事の8になるというのが面白い!

カンタータへの結論としてのRistのコラール聖歌の一途な和声法には、バッハの技巧・心象・知的把握力の独特の組合せがあり、バッハは最初の楽章でそれを駆使していたのだと我々は倍増しで気付かされる。

© John Eliot Gardiner 2006
From a journal written in the course of the Bach Cantaga Pilgrimage