Monday, October 26, 2015

日塩もみじラインへ輪行 - Shiobara & Nikko Route Run

逗子を拠点にすると、長野原草津口、日光、那須塩原などはいずれも200kmを越すので、老人のためのジパング倶楽部(JR東日本)で切符が3割引です。例えばその区間の普通列車グリーン料金もホリデーなら780円のところ550円で済むわけです。
輪行というのは思いつきでどこにでも行くわけにはなかなか行かないもので、僕は自分なりに一種のシミュレーションをしてみますが、上記のようなコスト面も当然その検討要素になります。

さて、紅葉を求めてどこかを走ろうとあれこれ考えていたのですが、猪苗代あたりまで見頃が降りてきているとの友人談と日塩ラインを自転車で走れるとのネット情報から、塩原温泉に狙いを定めました。決行は先週末の土曜日、翌日は一変して気温が下がり強風となったので、これはラッキーなタイミングでした。最初は往復とも電車のつもりでしたが、行楽客満載かも知れない那須塩原からの路線バスに輪行袋を持ち込めるかという疑問符があったことと、スタート時間を遅くできることから、新宿南口発のJR高速バスを使うことにしました。まずは7時37分逗子駅発の湘南新宿ラインに乗ります。始発なので混まない最後部に近い2両目に席を確保して、ドア横に自転車を置きます。平日だと新宿までに混雑してちょっとまずいわけですが、休みの日なら楽勝ですね。高速バスターミナルは代々木から数分の歩きです。

Nobody in early Saturday morning train

いよいよ9時20分発のバスに乗り込みますが、そこで乗客の整理をしているスタッフに「自転車は有料手荷物の手続きをしていますか?」と言われ、そんなの聞いたことないなあと渋々窓口に引き返しました。すると窓口では「荷物が床下のスペースに入る余裕があって、ドライバーの許可があればそれで良い」との返答です。と言うことで今度はドライバーにその旨を話して輪行袋入れさせてもらいますと申し出ると、「自転車はスキーなんかと同じで本当は持ち込めないんですよ。」と来た。これまで何度かバス輪行していますが、こうしたやり取りは初めてです。でも結局ドライバーは「持って来ちゃっているし、往きは乗せられても帰りは混んで難しいと思いますよ。」と黙認してくれる態度になります。こちらも帰路は電車予定なのでそれはOKと、晴れて席に着くことが出来ました。チケットの但し書きをよく読んでみると、確かに長さ1m以上の荷物はダメ等々と書かれていたので、運転手のイチャモンというわけではなくて、これまでフリーパスだったのがラッキーということなんですね!幸いその日の乗車率は50%くらいでピギーなどの荷物を預ける人は限られていました。

Troubled to bring in my bike at Shinjuku Highway Bus Terminal 

高速道は加須の手前でしばらく渋滞に捕まりましたが、その後流れは回復、アグリパル塩原を過ぎて目的地のもみじ谷大吊橋に着いたのは20分くらい遅れの12時45分。この遅れが実は後で致命的な影響をもたらします。そそくさと自転車を組んで、まずは大吊橋を見に行きましたが、入場料を取ってまで観るほどのものではない気がします。周囲の木々もただくすんで見える寂しさで、早々に切り上げて先を急ぐことにしました。

View from Momijidani Great Bridge

塩原温泉へは緑の中と川沿いを走るなかなか快適な道で、僕は途中対岸側に回らなかったので、福渡温泉の町並みを見ることなく日塩ラインの登り口に来てしまいました。ここからは標高差約700mほどを獲得しなければならないヒルクライムです。ハンターマウンテンへの登りというのは、標高は全然違いますが規模的には草津白根山の獲得標高差800mに準ずるくらいだろうと想定していました。ただ奥塩原の手前まではひたすら登りで足を休める間がないなあと感じました。ハンターマウンテンのところで「この先340m8%」という表示がありましたが、登りの後半は至って緩やかでした。途中で大根など野菜を売る産直市場みたいなところがあり、エーデルワイスという小屋を過ぎれば最高地点はすぐです。貧脚の僕は登坂に1時間半費やしていますから、草津白根と同程度の時間です。

View from Nanatsuiwa Suspension Bridge

肝腎の紅葉ですが、下界ではまだかなと思いつつ、高いところでは道に落ち葉が積もっていて時期を過ぎた感もあり、かと言って赤くあるいは黄色く映える木々はあまり見当たらず、ちょっと絶景ポイントが見つからないまま竜王峡まで降りてしまった感じがします。峠の茶屋白滝ドライブインというところで車を降りて写真を撮っている人たちがいました。ここには真っ赤な木がいくつかあり、対面する山の彩りも一番の見物でした。日塩もみじラインの延々とヘアピンカーブが続くダウンヒルは快適だと思います。






竜王峡に着いたのは16時10分で、日も薄くなって予定の電車時刻に1時間しかないので、そのまま走り抜けて先を急ぎました。しかしここから今市までの距離は結構長く、ややへばり気味で駅に到着したのは発車9分前。到底自転車を畳むことは出来ません。30分後の電車で帰ることになりました。宇都宮からは湘南新宿ラインの始発で終点までグリーン車に陣取ります。輪行袋を車両最後尾のスペースに押し込み準備万端。但し隣席に客が来ると、リクライニングが少しぶつかることになります。このタイミングではそこまで混まない想定です。かくして日帰りツアーは無事完了でした。今日になってその疲労が出て来ましたが・・・。


The route map, first 4km missing in the log





Monday, October 12, 2015

Midori's Bach - 五嶋みどりのバッハ

8月初めに予約して月末に発売予定となっていた無伴奏ソナタとパルティータのアルバムが3度の延期を経て108日にようやく手元に届いた。早速ディスク2枚を一気に通して聴いたが、演奏は素晴らしいと感じた。颯爽としたスピード感で、抑制的と言えるくらい表現に余計なところがなく、緊張感と美しさがバランスする演奏だ。いずれの曲も完成度は高いと思う。自らこの録音をBach Projectと名付けていたくらいだから、満を持して取り組んだに違いない。

アルバムの小冊子には五嶋みどりがどのようにバッハと向き合ってきたかを本人が綴った約4頁の英語の(+独仏の)文章がArtist’s noteと題されて添えられている。この文章を読んで行くと彼女がアーティストとして成熟の域に達していることが、その語り手としてのスタンスから自然に理解できる。とても良いライナー・ノーツだ。


母が練習していたバッハの曲を数日後に口ずさんでいたという2歳の頃の逸話、7歳で初めてバッハのソナタのレッスンを開始した時の驚きと困惑、他のどの作曲家よりもバッハの曲には学ぶところが無尽蔵で、毎回発見があり、独奏者デビュー30周年に達した2012-13年はこの無伴奏全6曲の録音に向き合う「良い頃合い」と判断したとのことだ。彼女はルネサンス期のearly musicからfreshness and freedomのスタイルに触れたことが大きいとも語っている。


I pre-ordered this album in the beginning of August for the scheduled release in the end of the month, and then received the notices of postponement for three times. Finally, the delivery was made on 8 October. I immediately listened to all 6 sonatas and partitas in a row to find the performance excellent. Each piece of music is very high in quality with solid swiftness and beauty in balance. Her expression is, if I may interpret it,  restrainedly clean without any excessive maneuvers. She referred this recording as her "Bach Project" that implies how precisely she prepared for it.

In the booklet is a 4-page writing by herself, titled "Artist's note", explaining how she dealt with Bach throughout her career, and I can see that Midori is now a truly mature artist by the stance of writing. I like this liner note very much.

Wednesday, October 7, 2015

初秋の旅 - Early Autumn Trip

友人宅を訪ねて八ヶ岳周辺を散策した。チケットは大人の休日倶楽部で各駅乗り継ぎ、ところが2日午前は武蔵小金井の人身事故で、八王子・高尾近辺からの下りは関係なさそうなのに列車がしばらく止まるなどダイヤが少し乱れた。標高1400m以上のエリアでは紅葉は始まりつつあるところで、多分一週間もするとすべての色が変わっているだろう。
Visited a friend of mine to relax in the area of Mt. Yatsugatake. Took a few slow, local trains using holiday discount ticket, but an accident in Musashi-Koganei affected the trains' schedule although I was near Hachioji to Takao and going further away, so it didn't make sense to me why trains stopped. The autumnal colors are just coming in to the pictured pond with the altitude of about 1400 meters, and they should completely change the view in a week. 

The moon and a bird up in the sky over the Lake Misuzu


富士見高原に行くとカートで見晴らしの良い公園に行けるとの情報に誘われて出かけてみた。4人乗りのカートが2100円/1台の料金。歩くのとさほど変わらない速度でゆっくりと進むひたすら自動運転で、カーブ13本の坂道を25分くらいかけて山頂の見晴台に到着。土日祝日は高原リゾートのリフトもあるようで、多分そちらの方が速そう。晴天に恵まれ、左手の富士山から右に甲斐駒のさらに先まで見渡せる大パノラマは圧巻だった。この公園は見晴台が3箇所あり、さらに彫刻アートが数多く置かれているのだが、案内や情報整備が支離滅裂でセンスに欠けるという感じなのが残念だ。
We drove to Fujimi-Kogen being inspired by the information about a splendid view available in Fujimi-Kogen where you take a cart to the uphill garden. Each cart for max 4 people cost 2100 Yen, and it automatically climbed very slowly, almost comparable to walking, taking 25 minutes or so until you reach the hilltop after 13 slope curves. Another option of transportations is the ski-lift available in the weekends that would be faster. 
The weather was superb and views were gorgeously panoramic with Mt. Fuji on the left scanning through Mt. Kai-Kona on the right and beyond. There were 3 different buena vista points and many sculptures like an outdoor museum in this garden, but the system and the displays for information were totally disorganized lacking sense of intelligence which was unfortunate.

A gorgeous, panoramic view from Fujimi-Kogen



日曜日に野辺山駅から小海線を北上、小諸経由で軽井沢へ、そこからバスに乗って北軽井沢のハイランドパークに向かう。目的は杜のクラフトフェア、小さな工房が集まって作品展示と即売のイベントだ。ここには誰も大成功を収めた作者はいないと思うが、素敵な作品もチラホラと並んでいるので、気に入ったものを少しでも購入すれば彼らへの一助にはなるだろう。
On Sunday, I took trains again to the north from Nobeyama with the highest altitude of all stations in Japan, to Karuizawa via Komoro, and then took a bus to Asama Highland Park where a craft fair was taking place with numbers of small craftsmen and design houses of wooden works, potteries, glassware, lacquerware, knittings, and etc. None of them seemed quite successful in business, but there are some nice products, and I felt happy buying few things which eventually assist their life as artist.

Train at the highest Nobeyama Station



今回の戦利品は漆の箸一膳1000円也。そして茶碗を1400円で。どちらも絶対お買い得品と得心。
木曽の漆工房琳は上松技専出身の職人さんで、魅力的な漆皿やお椀が並んでいた
茶碗の方は金属色の陶器類を多く手掛けているロクロウtheえもん。九州から京都、九谷などで修行を積んで今は埼玉県美里に窯を構えているそうだ。購入した茶碗、実は夫婦茶碗の大きい方の片割れ。小さい方は使わないだろうと敢えてセット購入しなかった。気に入ったら、このサイズを複数注文がベターと考えた。落ち着いた中間色と優しい水玉に心が和む。
This time, I bought a pair of lacquer chopsticks for 1000 Yen and a rice bowl for 1400 Yen, both of which looked an absolute bargain.
The artist guy of Rin Lacquer Atelier is a graduate from Agematsu Craftsman School, and displayed nice plates and bowls.
Rokurou-the-Emon seemed specialized in metallic finish of earthenware having accumulated experience in Kyushu, Kyoto and Kutani, and now runs a kiln in Misato, Saitama. This bowl I got was attractively relaxing with its mild earthy color and gently soft dots, which was actually a half portion of a large and small pair: I couldn't think of practical use with the smaller one, and thought ordering more of the larger would make more sense to me if I feel happy using it.