PCオーディオという括りの中でハイレゾの存在感が高まっているので、そろそろ我が家でも腰を入れて環境整備を始めてみようかと考えた。これまではパイオニアのBDP-150という安物ブルーレイ・プレーヤーのフロントUSBスロットにメモリーカードを差し込んでファイル再生を試していただけだ。ここしばらく友人の同じ悩みにあれこれ付き合って検討の結果、彼はOPPOのBDP-105を購入することに決めたが、こちらはそこまでの投資は難しいので息子のRME Fireface UCを巻き上げて、この年末で本格実験路線を走ることにした。
一般のPCオーディオはUSB-DACという製品を購入してPCとUSBでつなぎ、オーディオシステムで再生するのだが、僕の場合はステレオ限定ではなくサラウンド音源も扱いたいので、選択肢がかなり限定される。一番シンプルな解法はHDMI出力がマルチチャンネル音声対応となった最新Mac miniとAVアンプを直結することかなと想像しているが、我が家のiMacでは古くてその機能はないし、他のPCも、そしてオーディオ機器もHDMIは今もって未整備なので、結局ハードならOPPOプレーヤーしかないし、あとはソフトデコーダー・アプリ依存となる。
さて今回はまずケーブル。RMEの出力はバランスPhoneなのでPhone/RCAを4本作る。早速オヤイデのサイトを覗いて、FurutechのプラグとAcross 750V2ケーブル3mを発注。ここまで凝る必要はないかと思いつつ、まあハイレゾだからと自己暗示するが、これで小1万の出費だ。ところがFurutechのプラグはボディが太すぎてRMEのユニットにはやや不適合だった。そのせいかどうかチャンネルアサインに不審な挙動などあり、他のケーブルを混ぜ込みでとにかく先に進む。RMEユニットはオーディオ・ラックの中に収めるので、PCとは5mのUSBケーブルでつなぐ。これは安物で済ませた。
デコーダー・アプリはただではないが、どれもお試しダウンロードできるので、まずDSD128対応で音が良いと聞いていたHQPlayerを使ってみる。このソフトの場合ソースの再生30分というお試し制限になっているようだ。5.1PCMは問題なく処理したが、DSDマルチになると音がブツブツで連続再生しない。その可能性は聞いていたものの我がiMac2009では無理なのかも。それにこのUIは$200も取る商品とは思えないくらい粗末で気持ちも遠のく。
そこで次にAmarra 3.0に挑戦。このソフトはかなりポピュラーなはずなのだが、如何せんDFFファイルを読んでくれないのでその場で却下した。
気持ちが滅入る中、最後にAudirvana Plus 2.0。お試しは約2週間、大晦日までと告知される。UIはややマシな部類。DSD128マルチのファイルもすんなり読み込んでスイスイ再生する。拍子抜けするくらいだ。パソコンで他の作業をするとノイズが乗ったり、処理が一瞬遅れたりするが、ほぼ連続再生できている。
さて音質比較だが、2Lのテストベンチ・サイトで各種フォーマットの音源を取り込み、手元にあるディスクとも比較再生してみた。以下はTrondheim SolisteneのDivertimentiでの試聴。因みに比較に使用したプレーヤーはCambridge AudioのAzur 650。
DSD128の音がかなりスリムで低音が迫ってこないし、弦合奏の音もしゃくれてキツイ。SACDディスクも同じ傾向はあるが、もう少し質が高い印象だ。ところがBD版は別物というくらい楽器のリアリティ、音域バランスとも秀逸で、それはこの音源が元々DXD384での収録なのでDSD変換では劣化があるのかも知れないのと、あとはPC再生がハード再生のレベルに来ていないということなのだろう。DXDソースもダウンロードしてみたが、こちらはBDには及ばないもののかなりまともな音質に感じられた(但し192kで処理)。それにしてもAudirvanaはDXDまで再生してくれるんだ!あと、PCからの音はディスクより数dB低いという違いがあった。
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