シャトルはまずトンボの湯入口に止まるが、僕は何より石の教会が見たかったのでそのままプレストンコートホテルまで乗った。ホテルまでは急勾配の坂を登るので、一般にはこのシャトルに乗るのが正解。石の教会と言えば、ヘルシンキのテンペリアウキオが素晴らしいので、こちらはどんなだか興味ひとしおだった。内村鑑三記念館でもあるこの教会はケロッグという建築家の設計で、小さいながら印象深い建造物だ。まずふたつのベンチのような木製のオブジェが置かれたスペースがあり、そこから石のアプローチ、さらに斜面を下る長い木のアプローチが良い雰囲気を作り出して入口に至る。
中に入るとまず資料室があり、その先が礼拝堂だ。入口に尼僧(?)が二人案内に立っていて「礼拝堂内はカメラ禁止です」と言う。マチスの礼拝堂もそうだったなあと思い出す。仕方ないのでここは巷の写真を借用しておこう。十字架がなかったので案内役に聞いてみたら、内村の無教会主義に従いキリスト教に限らない宗教の礼拝を考えたからとの回答。僕は内村は「如何にして信徒になりし乎」を著したキリスト教徒だし、無教会主義もキリスト教の範疇だと今まで思っていたので、この説明には新鮮に驚いてしまった。ついでにオルガンもないのかと尋ねてみると、祭壇の横に置かれていて石の陰に隠れているとのことだった。実のところ、この教会は主として結婚式場なんだろうね。
教会を後に、来た道を歩いてトンボの湯に向かう。入場料は1200円+貸しタオルセット300円。お湯は熱からず、ぬるからず、あまり強い個性のないおとなしめの温泉だ。内湯は空間が広く、長湯してもゆったり気分になれる。外には露天もある。
お湯から出たところで雨が本格的に降り出して、雨宿りするには隣の村民食堂で昼食の時間ということになる。
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